第
77
回都市問題会議
1 期日 平成27年10月8日(木)・9日(金)
2 会場 長野市 ホクト文化ホール
3 主催 全国市長会
公益財団法人 後藤・安田記念東京都市研究所
公益財団法人 日本都市センター
長野市
4 会議日程
第1日目 10月8日(木)
9:30 開会式
9:50 基調講演
世界の山々をめざして 登山家 田部井 淳子
11:00 主報告
活き生き「ながの」元気な長野
-人口減少の克服に向けて オール長野の力を結集-
長野県長野市長 加藤 久雄
13:10 一般報告
都市の魅力づくりと交流・定住
-人口減少社会に立ち向かう 連携の地域化戦略-
立教大学観光学部兼任講師
観光地域づくりプラットフォーム推進機構会長 清水 愼一
14:40 一般報告
地域資源を活かした連携によるまちづくり
愛知県豊田市長 太田 稔彦
15:50 一般報告
一五輪一会
第2日目 10月9日(金)
9:30 パネルディスカッション
【テーマ】
都市の魅力づくりと交流・定住
-人口減少社会に立ち向かう 連携の地域活性化戦略-
【コーディネーター】
一橋大学副学長、同大学院法学研究科教授 辻 琢也
【パネリスト】
両備グループ代表兼CEO 小嶋 光信
地域再生プランナー 久繁 哲之介
信州大学全学教育機構期間教育センター教授 橋本 純一
岡山県真庭市長 太田 昇
愛媛県今治市長 菅 良二
11:50 閉会式
5 参加議員
須﨑 八朗 中山 ひと美 古屋 直彦 木原 宏 江口 元気
福島 正美 伊藤 幸秀 高口 靖彦 山本 みちよ 門倉 正子
瀬 順弘 大沢 純一 大石 ふみお 伊藤 大輔
6 会議の概要
(1)基調講演
田部井氏は、世界の山々を登山した経験を基に「東日本大震災」被災地で様々な
ボランティア活動を行っている。
震災の二か月後、福島の方たちを募り、バスをチャーターして五色沼にハイキン
グに行った。参加者の喜びの声に励まされ、頑張ろうという気持ちになった。以降、
60回近くハイキングを行っている。
また、若い人にも元気になってもらいたいと 60 名の高校生と70 名のボランティ
アと共に富士登山を行った。この登山は年々参加者が増えている。
また、山の仲間とシャンソンに挑戦し、「怖いもの知らずの女たち in 福島」と題
したディナーショーを開催した。
75歳とは思えない元気一杯の講演で、被災地への思いが溢れていた。
(2)主報告
71 歳の新人市長として、まず取り組んだのが、議会とも職員ともよい人間関係を
築くこと。よい人間関係から始め、元気な挨拶から。長野市の職員には挨拶の習慣
長野市は、善光寺の門前町、真田10万石の町であり、川中島古戦場や戸隠など魅
力ある観光地がある。長野オリンピックを通してホスピタリティあふれる街になっ
た。北陸新幹線延伸、総合球技場完成のほか、市役所新庁舎建設も進み、さらなる
発展につなげたい。
長野市の人口減少の結果は、高齢者だけが残る。「人口減少対策課」を作り、定住
人口増加、交流人口増加、特色ある地域づくりに取り組んでいる。
これまでの経験を活かすため高齢者に生産人口に加わってほしい。75 歳までが生
産人口となれば、若者だらけとなる。
定住人口増加では、少子化対策として「子ども未来部」を作り、結婚支援、子ど
も相談などを行っている。
交流人口増加では、北陸新幹線で富山まで45分、金沢まで65分、東京まで80分
となり、これまでの行き止まりからハブ市になった。
善光寺御開帳は経済効果が1137億円。これからは、大河ドラマ「真田丸」効果に
期待する。
二度の合併で、中山間地支援が大切になっている。「やまざとビジネス支援補助金」
は1000万円上限として、10分の8補助となっている。
農林業振興では、「いのしか対策課」がある。油断すると猪や鹿はすぐ増えてしま
す。ジビエとしての活用も考えられる。
(3)一般報告
①「都市の魅力づくりと交流・定住」
観光地づくりではない観光地域づくりにより、お客さんが来て町が元気になるこ
とが大切である。
観光地域づくりは、住んでよし、訪れてよしが理念となる。実現には、観光地域
づくりプラットフォームであり、縦割りを克服した組織である日本版 DMO が必要で
ある。
商工会議所、観光協会、NPOなどが一堂に会する場が必要である。町全体を豊かに
することに関して話し合う場がない。
マーケティングは重要であり、標本データはアンケートにより簡単に取れる。行
政はすぐ委託したがるが、お金がかかるだけである。
必要なのは、情報発信の一本化、地域をつなぐ仕組みづくりを首長をまじえて行
うことである。
②「地域資源を活かした連携によるまちづくり」
人口減少・高齢化視点から見る豊田市は、高齢化率は現状では全国値より低いが、、
今後、急速に高齢化が進む見込みであり、課題としては、農山村の人口減少と郊外
型団地での高齢者の激増がある。
置した。この会議では、①地域住民が自ら地域課題を解決する取組である「わくわ
く事業」に対する補助金の交付審査、②地域課題を解決するための事業の予算を提
案する「地域予算提案事業」を軸に、地域の自立のために地域が自ら考え行動し、
地域課題を解決する取組を行っている。
一方、都市と農山村を様々な主体とつなぐ「おいでん・さんそんシステム」によ
り、交流や関係づくりが行われている。
この二つのシステムを組み合わせ、自分たちの暮らしに満足感が持て、幸福感を
高めるまちづくりである「暮らし満足都市創造プログラム」に重点的に取り組んで
いる。
また、市民、企業、大学などが行う市民の幸せな暮らしにつながる「ミライのフ
ツー」を目指した近未来技術やシステム開発、まちづくりなどの実証を支援するた
め「ミライ・チャレンジ都市」に取り組んでいる。
具体的な取組としては、「高齢者が元気になるモビリティ社会プロジェクト」や「市
民発!まちづくりシン展事業」などがある。
さらに地域資源の地産地消を進めるため、「We Love とよた」を合言葉とした
様々な取組を進めている。
③「一五輪一会」
民間は常に職場の環境を改善し続けているが、行政は何十年も環境が変化してい
ないと思う。
しかし、行政は信頼が厚いので広がりを作るには行政の力が必要になる。民間と
行政のお互いの強みを生かして協力していけば良いと思う。
何か行うときは実行委員会方式で行うようにしている。プロジェクトごとに適任
者を集めて実行することで、うまくプロジェクトを進めることができる。
これから教育が大事になってくると思う。行政の補助により様々な教室が行われ
ているが、若い人がなかなか参加できないように思う。もっと世代を超えた交流の
場を作れたら、まちが活性化すると考える。
里山が守られなければ町は守られないと考えている。
最近、「かのやまプロジェクト」をスタートした。農村文化を見直し、持続可能な
里山を目指し、こころのふるさととなるような場所を実現する。
その中で、「MUGENDAI」という会を新たに始めた。これは「かのやまプロジェクト」
を実行していく上で、実際に何をしていけばいいかを議論する会で、地元の住民や
大学の先生、学生を巻き込んで解決の道を探す。
(4)パネルディスカッション(主な発言)
○ 少子高齢化における日本の再生と地方の創生は喫緊の課題である。
○ 地域公共交通で困っている自治体は、このままでは維持できないという危機感が
○ 税の東京一極集中を正さなければ地方の自立は生まれない。
○ 国の財政赤字について、何が国民のために必要か、国家としてなすべきかをゼロ
ベースで積み上げれば、3~4割の合理化ができる。
○ 高齢化自体が問題ではなく、「幸せ感の構築」が急務である。
○ 地方から若者が消えている問題は、高学歴化による地方から大都市への若者の流
出といえる。
○ 地方創生は国や地方自治体が中心となって進められているが、行政任せにするの
ではなく、地域を守る危機意識を共有してほしい。
○ 自治体は、あれもこれも中途半端に追うので、すべてに成果を得ることができな
い。
○ コンパクトシティは、生活する場を「人口密集地に集約Vs人口過疎地は捨てる」
政策という点でトレードオフである。
○ 広島市の出生率が向上したのは、郊外開発、つまり反コンパクトシティにある。
○ 「子どもの声がうるさい」という高齢者の問題を真剣に考える必要がある。
○ 出生率は国民性と移民で決まる。
○ 日本が取るべき人口減少対策は、男・女らしさを気にする国民意識の改革にある
と考える。
○ 2004年に北信越リーグ2部からスタートした「松本山雅FC」は2014年11月J1
昇格を決め、今では2万人近くの市民がスタジアムに集う。
○ 都市におけるJクラブには、アイデンティティ・プライドの醸成や豊かな交流な
どの魅力を持っている。
○ Jクラブと連携すべきステークホルダーは、ホームタウン、サポーター、ボラン
ティア、地域企業や商店、メディアなどがある。
○ 真庭市では、バランスのとれた年齢構成、安定した地域循環型経済、安全安心の
連帯感ある地域社会、真庭市を支える人材の育成を目指している。
○ 産業振興策として、多様な事業の連携・推進による「真庭バイオマス産業杜市」、
木材需要の拡大、地域資源を活かした農業振興と6次産業化などを行っている。 ○ 多彩な真庭の豊かな生活「真庭ライフスタイル」を提唱し、価値観の転換を図る。
○ 今治市は、「消滅可能性都市」の一つになっていて、人口減少対策を柱とした地
方創生戦略の実施が急務である。
○ 今治市の製造品出荷額は、四国でトップのものづくりのまちである。
○ 海事産業とタオル産業が中心だが、業界の垣根を越えた連携を行っている。
○ 瀬戸内しまなみ海道により「サイクリングの聖地」と呼ばれるようになり、台湾
との交流も行われている。
○ 今治タオルのブランド化に際し、佐藤可士和氏と出会えたことは大きな財産であ
○ 「2020 年東京オリンピック・パラリンピックを活用した地域活性化推進首長連
合」を通して、世界中から訪れる全ての選手の首に今治タオルを巻いてほしい。